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  2. 練習問題 民法 債権 106問の4の疑問

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 本問題肢は、司法試験の「平成20年度問題20肢エ」から転載された問題だと思いますが、一般的な解答解説は、「506条、508条の法意に照らし許されない」判例・最判昭36.4.14の判旨を基にしたものと思われますが、以下のようにも考えることが可能だと思われます。

 相殺の条文は505条(相殺の要件等)~512条(相殺の充当)まで8箇条で構成されています。
 508条だけ抜き出して表面上考察しても正解までたどり着きません。

先ず、相殺の基本条文である、505条(相殺の要件等)1項を検討します。

505条1項 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対等額について相殺によってその債務を免れることができる。(以下略)

 次に、この条文と問題肢を当てはめて検討します。

 条文と問題文の柱書を当てはめてみると

 問題文の柱書である「AはBに対して100万円の金銭債権を有する。一方、BもAに対して100万円の金銭債権を有する場合」が、505条の「二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合」の具体例であり、双方の弁済期が到来していれば、相殺できることが理解できると思います。(ここでは、混乱を招きますので「期限の利益の放棄」は考慮していません。)

 更に、上記内容と下記問題肢4を比較すると以下の通りになります。

 問題肢4は「Aの債権はすでに消滅時効の完成した債権を(Cから譲り受けた)場合でも、当該債権の時効完成前にBの債権と相殺適状にあれば、Aは、その債権を自働債権として相殺することができるか」と聞いています。

 ここからが結論部分になりますが、AがCから譲り受けた債権は、Bの債権とどのような関係性がありますか?(BとCの間に505条でいう「二人が互いに同種の目的を有する債務」がありますか?)BとCの間には直接の金銭消費貸借契約等は無いですよね?

 以上のことから、BとCの間では相殺の要件に合致せず(相殺適状にはあらず)、Cから同債券を譲り受けたAも当然に相殺の要件には合致しません。よって、問題肢4は✖となります。

 以上検討したように、基本条文から順番に対象条文を検討していくことが基本です。(但し、今回は、かなり基本論点等を省略していますが)
 
 これらの考察と問題肢4の解答解説を併せて検討していただければ、正解にたどり着けるのではないでしょうか?(因みに無料登録のため解説が確認できませんのであしからず)
自分が持っている他社のテキストに再判平25.2.28の例がのっており、消滅時効が援用された
自動債権がその消滅時効期間経過以前に受働債権と相殺適状に合った場合は相殺可能と書いてあり今回の解説頂いた件に混乱するところです。
何が違うのでしょうか?
こんにちは。yumochanさんに確認ですが、「最判平25.2.28の例」というのは、単純に2者による互いに同種の債権でしょうか?それとも譲渡された3者での問題ですか?
上記にegal support challengerさんから詳しく回答がありますが、今回のポイントは「AがCから譲り受けた債権」のように、3者で債権譲渡などがあった場合の問題です。「消滅時効が過ぎてから譲渡を受けた」「時効前に譲渡した」などのタイミングで有効か無効か?みたいな問題だと思って下さい。
もし、「譲渡された債権で、見た目は問題文と同じパターンだけど、結論が違う」ということであれば、もう少しだけ詳しくそのテキストの問題文などを提示してもらえればみんなで検討できるかと思います。よろしくお願いします。
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