こんにちは
「努力義務」というのは、基準等を(何らかの規定等を)定める場合、法の趣旨から見て、努力することが望ましいけれど、それをすることで何らかの不都合が生じる場合(処分基準等)などが考えられるかと思います。それを法がすべてに強制するには無理がある(問題がある、厳しすぎる)場合で、定めるも、定めないも行政庁の裁量権に委ねられているものです。標準処理期間の設定がその一つの例です。
「努めなければならない」とは、設定等を「しても、しなくても良い」ということだと思います。
ただ、「単純にしなくていい」「頭から守らなくてもいい」、のではなく、「する、守る努力をした」という事実が必要になると思います。これをきちんと説明できなければ行政は責任を果たしたことにはならないと思います。
「公にしておかなければならない」とは、設定(規定)した場合、公にしておく必要がある場合や、公にしても不都合がない場合で、申請者や一般からの問い合わせや求めがあれば、提示したり、自由に閲覧できる状態にしておくことです。(行政庁自身が積極的に広く一般に周知させることではありません。その意味で「公表」とは異なります。)
こんにちは
努めなければならない(努力義務)
努力してするようにして下さいとその者に対して求めること。
公にしなければならない(法的義務)
国であれば官報で国民に公表
地方公共団体(地方自治体)は公報で国民に公表
補足
することが出来る(任意規定)
しなければならない(法的義務)
行政手続法の努力義務
情報提供
標準処理期間の定め
処分基準
申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しの公にする努め。
複数の行政庁が携わる場合の申請者の求めで、許認可等をするかどうかの説明の聴取を共同して行う審査の促進の努め。
行政不服審査法の努力義務
標準審理期間の定め
審理員候補者名簿の定め
こんにちは
doneさんが実質箇条書きにしえますけど、
見分けのポイント(違い)は
「努めなければならない」か「公にしておかなければならない」では多分ない。
基礎法学の話になるんですけど(行政法なり民法で当てはめて考える)
「しなければならない」(強行規定・法的義務規定)→違反したら違法
「するよう努めなければならない」(努力義務)→一律にある時点から義務とすると「大損する」人がどこかにいる。努力義務だけの数条で構成された法律ってのもあります。
「することができる」「することを妨げない」(任意規定)→しなくてもいい、してもいい
「公にしておかなければならない」は公示義務って別の話であって、任意規定と努力義務、法的義務規定の別ですっぱり分けて「見分けよう」とするのは、逆に混乱することが増えるような気がします。